ドライアイの症状
自分でできるドライアイ・チェック
これまで、ドライアイのさまざまな症状を見てきましたが、さて自分でドライアイかどうか診断してみましよう。ドライアイは症状が問題となる病気ですから、自分である程度推測することができるのです。
下のチェックリストは、ドライアイに多い症状の一覧です。いままで述べてきた項目で、これに含まれていないものもありますが、こちらのほうがたくさんのデータが蓄禎されていますので、これを使ってみましよう。
まず、自分で一つひとつの答えにマルをつけていってください。年に一回や二回程度しか出ない症状は抜かして結構です。慢性的に起きてくるようなら、症状が軽くてもマルをつけてください。
- 目が疲れやすい
- めやにが出る
- 目がごろごろする
- 重たい感じがする
- 目が乾いた感じがする
- なんとなく目に不快感がある
- 目が痛い
- 涙が出る
- ものがかすんで見える
- 目がかゆい
- 光を見るとまぶしい
- 目が赤い
チェックした項目が5つ以上なら、ドライアイの可能性あり。
瞬きが多いといわれる
よく目をぱちくりぱちくりさせている人がいます。私などもまばたきが多いとよく人からいわれますが、どうしてまばたきが多いのでしょう。実はまばたきの回数が多いこともドライアイのサインなのです。
涙の基礎のところでお話ししましたが、目の表面にはまばたきのたびに涙の海がつくられます。もし涙の海が乾きやすいと、たくさんまばたきをしてこれを補わなければなりません。実際、正常の人が一分間に二〇同程度まばたきをしているのに比べて、ドライアイの患者さんでは四〇回程度まばたきをしている人が多いのです。頻繁にまばたきをして、なんとか目の表面を守っていることになるのです。
もし、これらの患者さんのまばたきの回数が、コンピュータの仕事などで減ってしまうと、目の表面はあっという間に乾いてしまいます。仕事をすると目の具合が悪くなるという人は、このようにもとからまばたきの回数が多い人によく見受けられるのです。
理由なく涙が出る
ドライアイの症状としておもしろいものに、「涙が出る」というのがあります。「涙が出るなんてドライアイではないじゃないか」というかもしれません。でも反射性涙のところでお話ししたように、これは本当なのです。ドライアイの患者さんの約三〇パーセントの人に、この症状があります。
「悲しい映画を観たときに涙が出る≒ごみが目に入ったときに涙が出る≒笑いすぎて涙が出る」これらはみんな正常です。問題は。理由なく”涙が出る場合です。しかしよく観察してみると、まったく理由なく涙が出るわけではなくて、ある一定の条件を満たしたときに出るのです。
どんな人でも、寝ているときに涙が出る人はいません。目をつむっているときに涙が出る人もいません。お風呂に入っているときのように、湿度が高いところで涙が出ることも少ないようです。逆に、外出したときや風が吹いているとき、仕事でまばたきが少なくなったときに出るここが多いのです。
そう、みなさんはもうぉわかりになったと思いますが、目の表面が基礎分泌だけで保護できなくなったときに、反射性分泌が亢進して涙が出てしまうわけです。ですから、ドライアイが悪化するような状態で、涙が出るということになるのです。
人の顔を見つめていられないのは、ドライアイのサインかも
少しシャイな人、引っ込み思案な人は、話をしているときに相手をまっすぐに見つめていられないといいます。恥ずかしがり屋のあなたもそうかもしれません。
でもそれだけではないのです。人の顔をまっすぐ見つめていられないというのも、ドライアイのサインであることがあるのです。
何人もの人と話すときはともかく、二人で話しているときはお互いに目を見ながら話します。目を見つめることも凝視ですから、瞬きの回数が減ってしまいます。少しくらいの間なら大丈夫ですが、ずーっと見つめているとだんだん目が疲れてきて、次第に目が開かなくなってきます。目が開かないと目をそらしますので、自分では人の顔を見つめていられないというふうに感じるのです。
ここで大事なことがひとつあります。もし「目が乾いてきたからこうなるんだな」ということに気づかないと、「俺は精神的に恥ずかしがりやなのか? どこか落ち着かないのか?」などと思って、間違った診断をしてしまう危険があるのです。体験してみないとわかりませんが、人と話をしていて目が乾いてくると、いらいらして話もしっかりできなくなります。とにかくこの会談を終わらせようなどと考えるようになります。
プールに入ると目が充血する
各地にスポーツクラブがたくさんできて、スイミングもとても朧んになってきました。スイミングは全身のエアロビクスに最適のスポーツですから、もっともっと盛んになっていいと思います。私白身も水泳は大好きで、毎週一回は泳いでいます。大好きなプールですが、ひとつ問題があります。泳ぐたびに目が真っ赤になってしまうことです。
プールに入るたびに目が赤くなる人がいますが、これも大事なドライアイのサインです。「プールは水だからドライアイにはいいはずだ!」と思われるのももっともですが、実は違うのです。問題は泌透圧とカルキにあります。
涙は目にとって海にあたりますが、この海は泌透圧が三〇〇ミリオスモル(泌透圧の単位)、PHが7.0程度に保たれています。ところがプールの水は泌透圧がず1つと低く(ゼロに近い)真水です。海に住んでいる魚を輿水に入れたら死んでしまうように、目も泌透圧ゼロの真水では障害を受けてしまいます。
それでも、目の表面がしっかりしていたり、涙の機能が十分な人は、自分の涙ですぐに洗い流すことができるので問題は少ないわけです。しかし、ドライアイではそうはいきません。いつまでもプールの水が目のなかに留まり、目の表面が障害を受けて目が充血します。
そのうえ、プールの水を消毒するカルキにも問題があります。カルキの濃度は規則で0.4~1.0PPMに保持するように定めれられています。この濃度ですと、プールのなかのバイキンを殺すのにはちょうどいいのですが、目のなかにプールの水が入ると、目の表面が障害を受けることになります。この場合も、自分の涙がしっかりしていればすぐに洗い流してしまうことができますが、涙の少ない人ですといつまでもカルキが目の表面に留まり、目が赤くなったりしてしまうのです。
コンタクトレンズができなくなった
いままでコンタクトレンズをしていた人が急にできなくなったとか、コンタクトレンズをしようとすると、目がごろごろして痛いなんてことがあります。実はこれもドライアイの大事なサインなのです。
それではここで、コンタクトレンズについて少しお話ししましょう。 コンタクトレンズをしている人が増えています。アメリカでは二四〇〇万人、日本でも八〇〇万人くらいの方がコンタクトレンズを使っているといわれています。メガネをしないですむので、とても便利と女性に大変人気があります。最近は使い捨てのコンタクトレンズが出てきたり、目の色を変えられるカラーレンズが出たりと、いろいろ話題を呼んでおり、コンタクトレンズを使
う人はもっと増えてくるでしょう。
便利、便利と使うのはいいのですが、油断は禁物。コンタクトレンズで問題が出ることも少なくないので、基本的なことは理解しておく必要があります。
コンタクトレンズは車と同じように文明の産物ですから、便利でいったん使ったら手放せないのですが、事故が起きたら大変です。車の運転をするには、教習所で基本を学び免許をとる必要があるように、本来ならばコンタクトレンズを使う人も、これを十分勉強する必要があるのではないでしょうか。
朝、目が開きにくい
朝、どうも目が開きにくいという人がいませんか。えっ? いつも眠たいから目が開きにくいって? そういう開きにくさとは述うんです。起きているつもりなのについ目が閉じてしまう、頭は起きているのに目だけが寝ているという感じです。これはドライアイの大事なサインなのです。
もともと、夜寝ているときには涙が出ていませんから、目を開けた瞬間は目の表面は屹きぎみということになります。正常な人なら、ここでしばらくすると基礎分秘が出てすぐに目の表面をぬらします。ところが、ドライアイの患者さんですと目の表面が乾いていてもなかなか涙が出てきません。目の表面が乾いたままだと、まばたきをするにもごろごろします。そのため、目がつらいということで、目が開きにくいのです。
眠たいからベッドから起きられないのと、この目が開きにくいからきちっと起きられないのと区別するのは、少しむずかしいのですが、よく観察してみると眠たくないのに目が開けられなかったということがあるのです。あなたも明日の朝起きるときに、自分がどちらなのか調べてみてください。どんな人でも少なからず目の状態が影響しているはずです。
目がゴロゴロする
誰でも目にゴミが入ったことがあるでしょう。目がごろごろして異物感がします。ゴミがなくならないかぎりこの症状はとれず、涙が出てきて洗い流してくれてやっとひと息、といった感じだったはずです。
ドライアイでは、このような目がごろごろする感じがいつまでもとれないことが多いのです。ゴミが入ったときのごろごろは、結局目の表面の細胞がゴミによっていじめられて起きており、ゴミがなくなればとれます。一方、ドライアイの場合はゴミではなく、目が乾いて目の表面の細胞が傷むために、ごろごろした感じを起こすのです。
目が重い
「目がなんとなく重い」「目がなんとなく不愉快」というのも、ドライアイの大事なサインです。患者さんによっては、この二つの症状をとくに強く訴えます。よく聞いてみると、なんとも表現のしようのない感覚なのだそうです。「目があることを意識する感じ」「目にいやな感じがする」「目がしゅぱしゅぱする」「目がおかしい」などともいいます。これらの症状が目の乾きと関係するわけですが、目の疲れと同様に、環境によってよくなったり悪くなったりします。
これらの症状はまちがいやすいので重要です。というのは、もしこれらの症状がドライアイによるものだということがわからないと、安易に”精神的なもの”という診断がくだされてしまいかねないからです。
ドライアイではどのような症状が出るの?
実際ドライアイではどのような症状が出るのでしょうか? どんな症状が出たらドライアイを疑えばいいのでしょうか?
目の疲れがドライアイの最も大事な症状だという話をしましたが、実はもっと複雑です。というのは、目の表面には乾きのセンサーがないために、目の表面が乾いたときに感じる感じ方が人によって違うからです。
ドライアイになったときにあらわれる症状をひとつひとつくわしく見ていきます。そして、これらの症状のある人が、ドライアイの自己診断をきちんとできるようにお話ししてみましょう。